珈琲のこと | kohanhe

COFFEE

当店のコーヒーはすべて店主が焙煎しています。

生豆を選び、仕入れ、選別（ハンドピック）し、
産地の個性を生かすように焙煎する。

抽出の前にあるそんな作業を私はこの手で行っています。

生豆のひんやりとした手触り、焙煎機の回る音、
次第に立ち上がる甘い香り、釜から取り出すときの緊張感…

コーヒーがもっともコーヒーらしくなる瞬間、そんな珈琲が
生まれるときを知る当店だからこそ伝えられることがあります。

【　豆選び　】
当店では「スタンダード豆」と「スペシャルティ豆」とを
幅広くご用意し次の２点を意識しています。

１：基本の豆を適切に焙煎し、おなじみのコーヒーとして安定して提供すること

「インドネシア・マンデリン」「コロンビア・スプレモ」など広く流通している豆を適切に焙煎し

長くコーヒーを愛飲している方が好きなザ・コーヒーを安定してご用意すること

２：産地の個性を感じられる豆を通じてコーヒーの新たな魅力をお伝えすること

カッピングと呼ばれる味のテストで評価を行い、その産地ならではの風味特性を持っているとして他と区別された豆。
その個性を生かす焙煎を行い、これまでのコーヒーにあまりなじめなかった方への新たな珈琲の入り口として提案すること、
珈琲通の方にもまだ見ぬ新たなコーヒーの魅力をお伝えすること

【　焙煎　】

当店では大型機と変わらない機能を兼ね備えた富士珈機の小型焙煎機

「DISCOVERY」を使用して自家焙煎しています。

入荷した生豆は丁寧にハンドピック（欠点豆の取り除き）をして小分け保存。試し焙煎の結果から焙煎計画を立てます。余分に煎り貯めをせず

その都度少量焙煎することで常に高い鮮度の豆をご用意しています。また中煎りから極深煎りまで焙煎しわけることで豆の個性を生かすよう考えています。

【　抽出　】

当店ではハリオV60ドリッパーを採用しています。
大きな一つ穴で円錐型の形状から湯を注ぐスピードを変えることで味に変化をつけることができます。

焙煎から適度にエイジングを施し飲み頃になった豆を正確に計量し挽きます。適切な湯温とスピードを意識しながらもそれぞれの豆にふさわしい抽出を心がけています。温めたカップに注ぐことで香り高く冷めにくい、長く楽しめる珈琲をお淹れしています。

【　販売　】

通信販売はしておりません。店頭、イベント出店先で直接お渡ししています。

人の手を経て作られたコーヒーだから、人の手で渡したい。

届く距離、見える顔。当店はそんなローカルな自家焙煎店でありたいと考えています。

なぜなら・・・

コーヒー豆はほとんどが手摘みで収穫されます。農園の多くが標高１０００～２０００ｍという高地にあり、斜面などで生産されているからです。質の高いものを輸出するために、現地でも人の目と手で選り分けられます。

そんな「人の手を経てきた豆」ですから、わたしがこの手で再びハンドピックするときにはひんやりとした生豆特有の質感の中にどこか人の手のぬくもりを感じることがあります。それはまるで現地の生産者と握手しているかのような気分です。

選ばなければどこでもコーヒーが飲める時代において、その生まれる場所を想像できること、どんな人の手を経てきてそのカップに注がれているのか、を知ることはいったいどこでできるのでしょうか。

産地に思いはせ、その土地の特徴を理解し、生産者の思いをくみ、生豆の持つ風味特性を損なわずに焙煎すること。そしてその過程を提示すること。手軽に一杯のコーヒーを飲むには必要のない情報かも知れません。
「ただおいしくあればいい。」その大前提の横にそっと添えることであなたのコーヒーが少しだけ味わい深いものになればと…